ごあいさつ
大会趣意書
日本学校農業クラブ連盟(FFJ)は、全国47都道府県の農業を学ぶ高校生と関係職員で構成された農業教育の全国組織として昭和25年(1950年)に結成されました。本連盟の目標は、「科学性」「社会性」「指導性」の育成であり、以来、70年あまり、日本および世界の農業および環境の発展に大きく寄与し、地域農業の発展に貢献する人材を輩出してまいりました。毎年、秋に開催される農業クラブ全国大会は日ごろの学習の成果の集大成として、プロジェクト発表、意見発表などの各種競技を開催し、クラブ員の知識や技術の向上と意見交換、交流を図ってきました。
令和7年度、「第76回日本学校農業クラブ全国大会」は関東ブロックが担当し、山梨県(主管)・東京都・神奈川県の学校農業クラブ連盟が大会の企画運営に行うことから、大会名を「令和7年度西関東大会」として開催する運びとなりました。
東京都連盟は、加盟校8校、クラブ員約2,100名で構成されます。東京は江戸幕府が開かれて以降400年にわたり、日本の中心として発展を続ける世界有数の大都市です。農地面積は、総面積の3.7%ほどではありますが、多様な需要をまかなうため、新鮮で安心なバラエティに富んだ農産物を産出しています。近年では都内各地で栽培されていた伝統野菜「江戸東京野菜」なども注目されています。令和3年に行われた東京オリンピックでは、全ての加盟校が食材提供を担うとともに、GAP活動にも積極的に取り組んでいます。この度、プロジェクト発表会が行われる府中市は、東京の中央部に位置し、武蔵野の貴重な自然が残っています。市内には国の天然記念物馬場大門ケヤキ並木を有し、歴史・文化・自然が融合する地域です。
神奈川県連盟は、加盟校5校、クラブ員約1,800名で構成されます。神奈川県は豊かな自然や歴史文化、都市景観を楽しめるエリアなど多彩な環境とともに、おもてなしの精神で全国のクラブ員の皆さまをお迎えさせていただきます。本県は、北西部に丹沢山地や箱根の山々、東と南には東京湾と相模湾二つの湾に面し、丘陵地帯と平野に恵まれた温暖な気候です。この気候や大消費地に近い都市農業の利点を生かし、果樹では果肉は柔らかく、酸味が少ない大粒ブドウ「藤稔」や上品な甘さとさわやかな香りが特徴の柑橘「湘南ゴールド」をはじめ、全国的にも有数の産地である三浦の「ダイコン」や「キャベツ」、明治時代から盛んに飼養されてきた養豚産業は「やまゆりポーク」「あつぎ豚」「高座豚」など良質な肉を産出しており、県下全域で農業が行われています。
最後に、山梨県連盟は、加盟校3校、クラブ員約600名で構成されます。本県は四方を日本最高峰の富士山を代表とする日本有数の山々に囲まれ、富士箱根伊豆国立公園、南アルプス国立公園、秩父多摩甲斐国立公園の3つの国立公園が県土の22%を占めております。県内の河川流域は、これらの山地から流下する富士川水系、相模川水系、多摩川水系の3つの一級水系からなり、四季折々の風景を見ることができます。日照時間が長く、降水量が少ない気候は、全国生産量1位のブドウ、桃、スモモなどの果樹栽培に適し、「フルーツ王国山梨」として全国に名前を馳せています。微力ではございますが、本県が全国大会事務局を務めさせて頂き、全国のクラブ員の皆様をお迎えいたします。
以上、本大会は西関東地区1都2県が協力し合い、豊かな自然と文化を発信した心温まる大会にしたい所存でございます。そして、本大会が将来の日本の農業と環境、地域文化を創造していく為、クラブ員の良き思い出として記憶に残るように、準備を進めてまいります。
つきましては、本大会の趣旨を御理解いただき、関係者の御指導、御支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和6年4月
- 東京都学校農業クラブ連盟会長(東京都立農産高等学校) 加藤 麗奈
- 神奈川県学校農業クラブ連盟会長(神奈川県立三浦初声高等学校) 髙橋 竜矢
- 山梨県学校農業クラブ連盟会長(山梨県立笛吹高等学校) 米倉 莉月
- 第76回日本学校農業クラブ全国大会事務局生徒実行委員長 丹澤 真衣
- 第76回日本学校農業クラブ全国大会事務局長(山梨県立農林高等学校長) 清水 章男